特定技能1号の支援を、登録支援機関に委託せず自社で行うことを、実務では「自社支援」と呼びます。制度上認められた選択肢で、出入国在留管理庁の届出様式にも「自社支援に切り替えたときの届出」が用意されています。

ただ、この記事で最初にお伝えしたいのは制度の説明ではありません。自分の会社が要件に合うのかどうかです。制度の詳細は入管庁のページを見ていただくのが確実ですし、そもそも要件に合わない会社が制度を読み込んでも時間の無駄になります。

まず結論|自社支援できるかは、この2つで決まります

自社支援の可否は、10項目の支援を回せるかどうかでは決まりません。次の2つで、ほぼ決まります。

Q1組織図を書いたとき、その外国人まで縦の線がつながらない社員がいますかQ2事前ガイダンス・生活オリエン・相談・面談の4場面を、本人が分かる言葉でできますかどちらも「はい」なら自社支援を進められます残りの要件は書類で示せるものがほとんどですどちらかが「いいえ」なら、委託が現実的です10項目をがんばっても、この2つが埋まらないと要件を満たせません
自社支援ができるかどうかは、この2問で分かります

どちらも「はい」なら、自社支援は現実的な選択肢です。残りの要件は、書類を揃えれば示せるものがほとんどだからです。逆にどちらかが「いいえ」なら、10項目をどれだけ丁寧にやる気があっても要件を満たせません。その場合は委託を選んだほうが早いです。

この2つが何を指しているのか、順に見ていきます。

この記事の流れ

要件①|支援担当者に置ける人が社内にいるか

ここが自社支援で一番の関門です。特定技能基準省令第2条第2項第4号は、支援責任者と支援担当者について、その外国人を監督する立場にない者であることを求めています。

判定は「組織図の縦のラインにいるか」だけ

運用要領は、かなり踏み込んだ書き方をしています。

1号特定技能外国人と形式上異なる部署の職員であっても、代表取締役、当該外国人が所属する部署を監督する長(例えば、当該外国人の所属する部署が製造課である場合の製造部長)など組織図を作成した場合に縦のラインにある者は適格性がないこととなります。

(特定技能外国人の受入れに関する運用要領)

受入企業(自社)組織図の縦のライン代表取締役製造部長製造課長特定技能外国人総務部の担当者指揮命令の外にいる人支援担当者になれる相談・面談判定はこれだけ組織図の縦のラインにいるかどうか横の部署なら社内の人でよい社外である必要はない※代表取締役は、部署が違っても支援担当者になれません(運用要領)
社内の誰なら支援担当者になれるか

支援担当者になれない人の具体例

立場理由
×代表取締役運用要領が名指ししています。部署が違っても不可です
×製造部長(外国人が製造課にいる場合)その外国人が所属する部署を監督する長にあたります
×直属の上司、現場責任者、班長指揮命令をする立場そのものです
×別部署だが、実際にその外国人へ指示を出すことがある人形式上部署が違っても、実質的に指揮命令をし得る立場は含まれません

候補になる人の具体例

立場確認すること
総務・人事・経理など管理部門の社員現場に指示を出していないか。名ばかりの兼務がないか
別の事業所・工場の管理担当支援担当者は事業所ごとに1名以上必要なので、その事業所の分は別に要ります
品質管理・安全衛生など製造ラインの外の部門作業指示の権限を持っていないか

支援責任者は支援担当者を兼ねられます。ですので、条件に合う人が1人いれば形は作れます。ただし支援担当者は、外国人が働く事業所ごとに1名以上必要です。

よくある会社の体制で当てはめると

会社の体制置ける人
社長+現場社員5名。管理部門なし× いません。縦のラインしか社内にない状態です
社長+工場長+総務1名+現場10名 総務の1名。社長と工場長は不可です
本社に総務部があり、工場に外国人がいる 本社の総務。ただしその人が工場に指示を出していないことが前提です
総務部長が製造部も統括している× いません。実質的に指揮命令をし得る立場にあたります

運用要領は、判断に当たって事業形態や、監督する立場にある者と支援責任者・支援担当者との関係性も考慮要素に挙げています。形式的に部署を分けただけでは足りない場合があり、最終的な判断は入管が行います。

なぜここまで厳しいのか

運用要領はこの要件の趣旨を、①その外国人を監督する立場にないこと、②会社と本人の間に紛争が生じた場合に、少なくとも中立的な立場でいられること、と説明しています。

②が本質です。義務的支援には、相談・苦情への対応と定期面談、そして労働関係法令の違反を知ったときに労働基準監督署などへ通報することまで含まれています。会社に不利なことを受け止めて、必要なら外部に通報する。この役目を、本人を評価し指示する立場の人が兼ねてしまうと、仕組みとして成立しないわけです。

ちなみに登録支援機関に委託した場合、この中立性は制度の側が保証してくれます。施行規則で、受入企業の役員の配偶者・2親等内の親族や、過去5年間に受入企業の役員または職員だった人は、その企業の支援責任者になれないと定められているためです。自社支援は、これと同じ機能を社内で用意することになります。ただし求められているのは社外の人ではありません。指揮命令から切り離されていればよく、横の部署の社員で足ります。

要件②|本人が分かる言葉で対応できるか

ここは、思われているより負担が軽いところと、重いところがはっきり分かれます。「10項目すべてに通訳が要る」と思って諦めている会社がありますが、それは誤解です。

通訳が必要なのは、10項目のうち4つだけ

特定技能基準省令第4条第3号は、事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談や苦情への対応・本人との定期面談の4つについて、外国人が十分に理解することができる言語で実施することを求めています。裏を返せば、それ以外には言語の要件がかかりません。

本人が分かる言葉が必要(4つ)事前ガイダンス3時間程度生活オリエンテーション8時間以上相談・苦情への対応随時定期面談(本人と)3か月ごと言語の要件の対象外(6つ)出入国時の送迎住居・口座・携帯の契約公的手続への同行日本語学習の機会の提供日本人との交流の促進転職支援(会社都合のとき)※翻訳機の活用も可能。ただし込み入った相談・苦情対応では通訳人の介在が不可欠とされています(運用要領別冊)※「十分に理解することができる言語」は母国語に限りません。内容を余すことなく理解できる言語であればよいとされています
通訳が必要なのは、10項目のうち4つだけです

どれくらいの量になるのか

運用要領別冊は、実施時間の目安まで書いています。通訳をどれだけ手配することになるのかが、ここで見積もれます。

場面時間の目安これを下回ると
事前ガイダンス3時間程度1時間に満たないと、適切に行ったとはいえないとされています
生活オリエンテーション8時間以上生活環境に変化がない場合でも、4時間に満たないと適切とはいえないとされています
定期面談(本人と)3か月ごと
相談・苦情への対応随時

つまり受け入れの入口でまとまった時間が要り、そのあとは3か月ごとの面談と、いつ来るか分からない相談への備えという形になります。読みにくいのは最後の相談対応です。夜間や休日に起きたときに誰も出られない体制だと、要件を満たしているとはいえません。

なお事前ガイダンスは、対面またはテレビ電話装置その他の方法で実施することとされています(同省令第4条第2号)。入国前の実施なので、オンラインで問題ありません。

体制の作り方は3通り

作り方向くケース気をつける点
社内にその言語を話せる社員がいる受け入れる国籍が1つに寄っているその社員が辞めると体制が崩れます。支援担当者本人である必要はありませんが、随時動けることが前提です
通訳会社と契約して随時依頼する国籍が複数にわたる/今後増える夜間・休日の相談に対応できる契約か。費用は会社負担です
受け入れる国籍を1つに絞るこれから始める採用の自由度は下がりますが、体制は一番作りやすくなります

よくある2つの疑問

通訳に国家資格は要りません。業務上の通訳は資格が必要な仕事ではないので、社員でも、個人に業務委託しても構いません。通訳会社に限られるわけではありません。運用要領別冊も、支援の実施に当たって通訳を補助者として他の人に依頼することは差し支えないという整理をしています。つまり通訳の手配は、支援そのものの委託とは別の話です。

一方で、同じ職場で働いている特定技能の外国人に通訳役を頼むのは避けてください。理由は2つあります。1つは、相談・苦情の場面で同僚が通訳では本人が話しにくく、要件①で見た中立性の考え方と噛み合わないこと。もう1つは、特定技能1号が分野ごとの業務区分に沿って働く在留資格であり、通訳を恒常的に担わせることは本来の活動とはいえないことです。緊急時に助けてもらう程度と、支援の体制として組み込むことは別に考えてください。

「十分に理解することができる言語」は、母国語に限りません。内容を余すことなく理解できる言語であればよい、とされています。英語で足りる人なら英語で構いません。

翻訳機についても、運用要領別冊は円滑にコミュニケーションが取れることを前提に活用も可能としています。ただし込み入った相談・苦情対応のような場面では通訳人の介在が不可欠とされているので、翻訳機だけで体制が整うとは考えないでください。

入管庁が用意している道具は使ったほうが早い

  • 9か国語+英語の翻訳様式/支援計画書(参考様式第1-17号)、事前ガイダンスの確認書(第5-9号)、生活オリエンテーションの確認書(第5-8号)、雇用条件書などに用意されています。ベトナム語・タガログ語・インドネシア語・タイ語・ミャンマー語・カンボジア語・モンゴル語・ネパール語・中国語・英語です
  • 生活オリエンテーション動画(17言語)/生活上のルール、仕事、税金などを紹介するもので、入管庁のサイトで公開されています。8時間の中身を自前で作らずに済みます

支援計画書は、日本語と本人が十分に理解できる言語の両方で作成し、写しを交付したうえで内容を説明し、本人から署名をもらう必要があります。翻訳様式があるのは、この作業のためです。

2つが通ったら|残りの要件と、実際にやること

ここから先は、書類で示せるものがほとんどです。ここまでが「できるか」の話、ここからは「何をするか」の話になります。

残りの要件

第1号|過去2年の実績。入口は3ルートあります

  • /過去2年間に、就労できる在留資格の中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績がある
  • /過去2年間に、同じく中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を持つ役員・職員がいる
  • /イ・ロと同程度に支援業務を適正に実施できると認められる

あわせて、支援責任者と、事業所ごとに1名以上の支援担当者の選任が必要です(兼任可)。技能実習生を受け入れてきた会社ならイに該当する可能性が高いところです。会社としての実績がなくても、外国人の生活相談を担当してきた社員がいればロで通る場合があります。実績が無いから無理だと決めつける前に、ロを確認してください。イとロは、それぞれ専用の様式で示します(イ=参考様式第1-11-2号、ロ=第1-11-3号)。

第3号・第5号・第6号・第7号

内容
第3号支援の状況に係る文書を作成し、雇用契約終了の日から1年以上事業所に備え置くこと
第5号過去5年以内に、支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
第6号支援責任者または支援担当者が、本人とその監督をする立場にある者の双方と定期面談できる体制があること
第7号分野別の上乗せ基準(告示で定めるもの)に適合すること

第7号の分野別の上乗せ基準は、建設分野のJAC加入のように、支援体制とは別に受入れそのものの条件になっているものがあります。分野ごとの制約については特定技能外国人が現場に入れない理由|建設・造船の実務ポイントもあわせてご覧ください。

実際にやること|義務的支援10項目

#支援内容いつ
事前ガイダンス/雇用契約の内容、日本でできる活動、上陸・在留の条件などの情報提供在留資格認定証明書の交付申請前(すでに他の在留資格で在留中なら在留資格変更の申請前)
出入国時の送迎入国時・帰国時
住居の確保と生活に必要な契約の支援/賃貸借契約の保証人になるなど。銀行口座、携帯電話も含む入国前後
生活オリエンテーション/生活一般、必要な届出・手続、相談窓口、母語で受診できる医療機関、防災・防犯と緊急時対応、法的保護に必要な事項の6点入国後(変更許可後)
公的手続等への同行随時
日本語学習の機会の提供継続
相談・苦情への対応/遅滞なく応じ、助言・指導その他必要な措置をとる随時
日本人との交流の促進継続
転職支援/本人の責任によらずに雇用契約を解除する場合に、次の受入先で働けるようにする支援会社都合で契約を解除するとき
定期面談と通報/本人とその監督者に定期面談。労働関係法令の違反などを知ったときは労働基準監督署等へ通報定期(実務上は3か月に1回)
申請前事前ガイダンス第5-9号入国時送迎・住居口座・携帯入国後生活オリエンテーション第5-8号3か月ごと定期面談(本人+監督者)第5-5号・第5-6号毎年5/31まで定期届出第3-6号記録は雇用契約の終了から1年以上、事業所に備え置くこの記録がそのまま定期届出の元データになります。続かなくなるのは中身ではなく、ここです。※定期届出は2026年4月1日から年1回(対象4/1〜翌3/31・提出は翌年5/31まで)。随時届出は従来どおり14日以内
いつ何をするか。様式番号は必要書類の項にまとめています

必要書類|参考様式の番号つき

参考様式はすべて出入国在留管理庁の申請・届出様式一覧から入手できます。要件と書類はきれいに対応しています。

在留申請のときに出すもの(自社支援に特有のもの)

参考様式様式名役割
第1-17号1号特定技能外国人支援計画書支援計画の本体。入管庁が「自社支援」用の記載例を別に出しています
第1-11-2号受け入れた中長期在留者リスト第1号の実績を示す
第1-11-3号生活相談業務を行った中長期在留者リスト第1号の経験を示す
第1-20号支援責任者の履歴書要件①の適格性
第1-22号支援担当者の履歴書要件①の適格性
第1-11-1号特定技能所属機関概要書中立性の確認対象書類。委託の有無にかかわらず必要

逆に、第1-25号「登録支援機関との支援委託契約に関する説明書」は自社支援では不要です。この1枚が、委託しているかどうかの分かれ目になっています。

支援を実施した記録として自社に残すもの

参考様式様式名対応する支援
第5-9号事前ガイダンスの確認書
第5-8号生活オリエンテーションの確認書
第5-4号相談記録書
第5-5号定期面談報告書(1号特定技能外国人用)
第5-6号定期面談報告書(監督者用)
第5-12号転職支援実施報告書
第5-7号報酬支払証明書報酬の支払方法によっては必要

定期面談の報告書が本人用と監督者用の2種類ある点に注意してください。省令が本人と監督者の双方との面談を求めているためで、片方だけでは足りません。

届出で使うもの

参考様式様式名いつ
第3-6号受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書
(別紙1・別紙2を含む)
定期届出。2026年4月1日以降の提出は新様式
第3-2号支援計画変更に係る届出書支援計画の変更、支援責任者・担当者の変更、自社支援への切り替え
第3-3-2号支援委託契約の終了又は締結に係る届出書登録支援機関との委託契約を終了したとき
第3-1-1号
第3-1-2号
特定技能雇用契約の変更/終了・締結に係る届出書雇用契約を変更・終了・再締結したとき
第3-4号受入れ困難に係る届出書受入れの継続が困難になったとき
第3-7号1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書支援の実施が困難になったとき

ここで多くの会社が判断を間違えます

要件と手順が分かったうえで、判断を誤らせる材料が4つあります。いずれも実務でよく見る誤解です。

①「一部だけ委託」は、制度上は自社支援と同じ扱い

入管法第19条の22第2項は、支援の全部または一部を委託できると定めています。一方、同法第2条の5第5項は、登録支援機関に「全部」の実施を委託した場合に限り、支援体制の基準に適合しているとみなす、と定めています。

① 全部を委託受入企業登録支援機関支援10項目を誰がやるかすべて委託先支援体制の基準みなし適合届出:登録支援機関が資料を作る② 一部だけ委託受入企業登録支援機関支援10項目を誰がやるか自社委託支援体制の基準自社で満たす届出:自社で作成・提出③ 完全に自社支援受入企業委託先なし支援10項目を誰がやるかすべて自社支援体制の基準自社で満たす届出:自社で作成・提出この2つは制度上まったく同じ扱い
委託の形と、会社に残る義務の関係

「送迎と住居探しだけ外注して、あとは自社で」という形にした瞬間に、支援体制の基準は自社で満たさなければならなくなります。費用を抑えるつもりで一部委託を選ぶと、要件だけが自社に戻ってくることになりかねません。一部委託そのものが悪いわけではなく、「一部委託なら要件が軽くなる」という理解だけが誤りです。

② 定期届出は2026年4月から年1回になりました

いま出回っている解説記事の多くが、ここは古いままです。

旧ルール2026年4月1日から
頻度四半期ごと(年4回)年1回
対象期間各四半期4月1日から翌年3月31日
提出期間翌四半期の初日から14日以内翌年5月31日まで(土日祝なら翌開庁日)

四半期ごとの定期届出は、2025年4月15日までに提出したものが最後です。「年4回の届出が大変だから委託している」という理由で委託を続けている会社は、前提が変わっています。

ただし自社支援だと届出の中身は増えます。入管法第19条の18第2項第2号は、全部委託したときを除き支援計画の実施状況も届け出ることを求めているためです。また年1回になったのは定期届出だけで、随時届出は従来どおり14日以内です。届出が適正に行われていないと、特定技能外国人を受け入れられなくなります。

③ 会社持ちなのは「支援そのものの費用」です。家賃は別

省令第2条第1項第8号は、支援に要する費用を直接又は間接に外国人本人に負担させないことを求めています。運用要領は、ここに含まれるものを具体的に挙げています。

  • 事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談苦情対応・定期面談の実施に係る通訳人の通訳費
  • 出入国時の送迎に要する交通費
  • 登録支援機関への委託費用

ただし住宅の賃貸料などの実費を、必要な限度で本人に負担させることは妨げられません。「何もかも会社持ち」ではなく、支援そのものにかかる費用が会社持ちという切り分けです。自社支援にすれば委託料は無くなりますが、上に挙げた通訳費と送迎の費用は会社側に残ります。この点は切り替えの試算に必ず入れてください。

④ 続かなくなるのは、支援の中身ではなく記録です

10項目は、1つずつ見ればどれも「やればできる」ものです。実際に自社支援が破綻するのは、事前ガイダンスの確認書・生活オリエンテーションの確認書・相談記録・定期面談報告書が揃わなくなったときです。これらは雇用契約の終了から1年以上備え置く義務があるうえ、定期届出を作るときの元データそのものになります。切り替えの前に、誰がどこに記録を残すのかまで決めておいてください。

切り替えの手順と、最終的な判断

要件が合うなら、切り替えは制度上想定された手続きです。入管庁の届出案内にも「自社支援に切り替えたときの届出」が明記されています。

  1. 要件①②を確認する。組織図を書いて、縦の線から外れる人がいるか。4場面の言語対応ができるか
  2. 支援責任者と支援担当者を決める。支援担当者は事業所ごとに1名以上。支援責任者との兼任は可能
  3. 支援計画を作り直す。参考様式第1-17号。自社支援用の記載例が公開されています。日本語と本人が理解できる言語で作成し、説明のうえ署名をもらう
  4. 登録支援機関との委託契約を終了する。契約書の解約予告期間を先に確認しておく
  5. 届出を出す。支援計画変更(参考様式第3-2号)と支援委託契約の終了(第3-3-2号)。いずれも14日以内
  6. 以後、定期届出は自社で行う。支援実施状況を含めて自社で作成する

なお随時届出は受入企業自身が行う必要があります。委託していても、登録支援機関が代わりに随時届出を行うことはできません。

それでも委託を選んだほうがよい場合

観点自社支援が向く委託したほうがよい
支援担当者縦のラインから外れる社員がいる社長と現場責任者しかいない
言語受け入れる国籍が1つに寄っている国籍がばらける/今後増える見込み
実績技能実習などで受入れ・生活相談の経験がある外国人の受入れが初めて
人数複数名を継続的に受け入れる予定がある1〜2名で、当面増やす予定がない
事務記録を残す習慣と担当者がいる総務が兼務で手一杯
時間帯夜間・休日の相談にも誰かが出られる日中しか対応できない

支援委託費は1人あたり月額で発生するのが一般的なので、受け入れる人数が増えるほど自社支援が有利になります。逆に1〜2名なら、委託料より自社の手間のほうが高くつくことは珍しくありません。自社支援は「安くなるから選ぶ」ものではなく、「人数が増えて、自社で握ったほうが早くなったから選ぶ」ものと考えるのが実態に近いです。

ご相談について

STRUCTSは登録支援機関として支援を受託していますが、グループ会社の受入れについては自社支援で回しています。委託する側と自分で支援する側の両方を実際にやっている立場です。

  • 支援を委託したい場合外国人材雇用就労支援をご覧ください
  • 自社支援でやると決めた場合/要件の当てはめと、記録の残し方の設計についてご相談を承ります。お問い合わせからご連絡ください

自社支援ではなく、まず委託先の登録支援機関を替えることを考えている場合は、登録支援機関の変更|できる条件・乗り換えの手順・必要書類もあわせてご覧ください。届出の様式と期限をまとめています。

そもそも登録支援機関とは何か、支援10項目には何が入っていて、委託するといくらかかるのかは登録支援機関とは|支援10項目・費用の相場・委託の線引きにまとめています。

なお、その人が特定技能2号に上がれば、支援計画そのものが要らなくなります。自社の分野に2号があるか、会社が証明できる実務経験が足りているかは特定技能2号の条件と試験|11分野の実務経験・合格率を一覧にまとめました。

補足

申請等取次者の資格は要るのか

自社支援だから資格が要る、という関係ではありません。必要かどうかは、申請の種類で決まります。

申請誰が出せるか手数料
在留資格認定証明書交付申請
(海外から呼ぶとき)
雇用契約を結んだ機関の職員が代理人として行います。申請等取次者の承認は要りません無料
在留資格変更許可申請
在留期間更新許可申請
(国内で切り替える・更新するとき)
本人または申請取次者が地方出入国在留管理局に出頭します。オンライン申請なら出頭は不要ですオンライン5,500円
窓口6,000円

つまり海外から呼ぶ場合は、資格がなくても会社の職員が申請できます。国内で切り替える場合も、本人が入管に行くなら資格は要りません。会社が本人の代わりに窓口へ行くとき、またはオンライン申請を使うときに、申請等取次者としての承認(または承認要件を満たしていること)が必要になります。

書類の作成にツールを使ってよいか

自社の申請書類を、自社の役員・社員がツールを使って作成することは問題ありません。自社支援を選ぶということは、これを自分たちでやるということです。

入管庁は在留申請オンラインシステムについて、弁護士・行政書士以外の者が「業として、手数料を得るなどして」他人の申請情報を入力した場合は弁護士法違反または行政書士法違反となることがある、と注意喚起しています。裏を返せば、自社の書類を自社で作る場面はこれに当たりません。気をつけるのは、その作業を他社のために報酬を得て引き受けたときです。

参照した法令・資料

  • 出入国管理及び難民認定法 第2条の5、第19条の18、第19条の22
  • 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令 第2条〜第4条
  • 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」および「同 別冊(1号特定技能外国人支援)」
  • 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」
  • 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」
  • 出入国在留管理庁「申請等取次制度」

※本記事は2026年8月時点の制度に基づきます。最新情報は出入国在留管理庁および各分野所管官庁の公表資料をご確認ください。個別の判断は入管が行いますので、実際の適用に当たっては管轄の地方出入国在留管理局にご確認ください。